有病者、障がい者歯科への思い
~地域の医療職・介護職の皆様へ~

大阪大学で摂食・嚥下障害や構音障害など口の機能障害を専門にしておりました。義歯の調整や虫歯の治療はできても、食べることや話すことを専門的に診ることができる歯科医師は多くありません。ご縁がありまして、これまでに、市立芦屋病院や神戸の先端医療センターからお声をかけていただき、NST会議や回診の参加、糖尿病検査入院時の歯周病精査、がん周術期における口腔内トラブルの管理等、様々な疾患を有する患者を多くの職種と協力して診てきました。

現在の訪問歯科診療や障がい者歯科診療は、単純に口腔ケアや義歯の調整等、疾患レベルでの対応が主流のように思います。しかしながら、要介護者や有病者が生活する上での問題は、口腔だけでないのが通常であり、それらの問題は相互に関係していることも少なくありません。学術的に歯科疾患の治療が、様々な全身疾患や身体機能の維持向上を目的としたリハビリテーションに好影響を及ぼすことが謳われていながら、医科歯科介護の連携は充分とは言えないのが現状ではないでしょうか。これまで、患者の治療や生活を考える上で、他の専門職と知恵を出し合って一緒に診ることでより安全で、より充実した治療計画を立てて、成果を出すことができた経験をしてきました。その患者に関わる医療職および介護職が自分の専門とする疾患の対応だけではなく、対患者レベル、対地域レベルでヘルスプロモーションを意識したコミュニケーションをとることができれば理想ではないかと考えております。
この度、これまでの経験を生かして地域でも他職種の垣根を取り払った医療を展開したいと考えております。地域の異なる医療資源や介護資源が結びつき、永く、ともに成長できるパートナーになれればこれほど嬉しいことはありません。

後回しにしないで!お口の問題!

(例えば)当院ではこんな医科歯科連携をしています。

  • 人工透析と口腔衛生
  • 糖尿病と歯周病
  • 誤嚥性肺炎と口腔衛生
  • がん治療と歯科疾患
  • 転倒とかみ合わせ
  • 緩和ケアと食事支援
  • 栄養障害と嚥下障害
  • いびき、睡眠時無呼吸症候群と口腔内装置
  • 気管カニューレのウィーニングと口腔機能

興味のある方はお気軽にお電話下さい!

バリアフリーは当たり前
当院は一階、バリアフリーの歯科医院です。車いすの方も安心して通院できます。ずっと車いすに座っているのも大変なもの。待ち時間も極力少なくなるよう配慮します。
様々なリスクに配慮
バリアフリーで、器材がそろっていれば、何でもできるというわけではありません。歯科治療がお身体や精神に負担をかけることも十分あります。大切な患者さんに無理はしません。医科や介護と相談して一番いい方法を考えます。
認知症や、知的障害の方もお気軽に
健常な方でも歯科治療は緊張するものです。認知症や知的障害の方ならなおさらです。当院では疾患を治す「CURE」といい状態を維持する「CARE」をわけて考えます。治療は「門真歯科医師会」と連携して「静脈内鎮静法」での治療をおすすめすることもあります。治療後の定期検診は通院または訪問診療で対応します。